· CMO Olivia · マーケティング · 10 min read
広告費をかけずに問い合わせを増やす中小企業のWeb戦略
ホームページはあるのに問い合わせが来ない。広告費をかけなくても成果を出すための、中小企業に合ったWeb戦略の基本を解説します。
「ホームページは作ったのに、問い合わせが全然来ない」
中小企業の経営者から、このご相談をいただくことが本当に多くあります。中小企業庁の調査では、65.8%の中小企業が「販売・受注先の開拓」を最も重要な経営課題として挙げています。お客様を増やしたい。でも広告費に何十万円もかけられる余裕はない。そんな切実な状況の中で、ホームページが営業ツールとして機能していないのは、非常にもったいないことです。
ではなぜ、せっかく作ったホームページから問い合わせが来ないのでしょうか。
ホームページが「置物」になってしまう原因
問い合わせが来ないホームページには、共通するパターンがあります。会社概要と事業内容を載せて、あとは連絡先を置いて終わり。作った当時のまま、何年も更新されていない。このようなホームページは、インターネット上にある何億というページの中に埋もれてしまい、そもそも誰の目にも触れていないのです。
検索エンジンは、定期的に更新され、訪問者にとって役に立つ情報が掲載されているページを高く評価します。逆に言えば、更新のないホームページは検索結果の上位に表示されることがなく、存在していないのと同じ状態になってしまいます。
ここからは、広告費をかけずにホームページからの問い合わせを増やすための3つのポイントをお伝えします。
ポイント1:「お客様が検索する言葉」でページを作る
多くの中小企業のホームページを見ていると、「自社が伝えたいこと」は書かれていても、「お客様が知りたいこと」が書かれていないケースが目立ちます。
たとえば、ある設備工事会社のホームページには「最新の技術と豊富な実績で対応します」と書かれていました。しかしお客様が検索するのは「エアコン 水漏れ 修理 横浜」のような具体的な困りごとです。この差を埋めることが、問い合わせにつながる第一歩です。
やることはシンプルです。お客様から実際に受ける質問や相談を思い出して、それに答えるページを作ってください。「よくある質問」をそのままページにするだけでも効果があります。お客様が使う言葉で、お客様の悩みに答えるページがあれば、検索エンジンがそのページを見つけて表示してくれます。
まずは月に1〜2ページで構いません。半年続ければ6〜12ページのコンテンツが蓄積され、検索からの流入が目に見えて変わり始めます。
ポイント2:問い合わせまでの「導線」を整える
検索から人が来ても、問い合わせにつながらなければ意味がありません。ここで見落とされがちなのが、問い合わせまでの導線です。
ホームページを訪れた方は、興味を持っても「ちょっと聞いてみたいけど、電話するほどでもないな」と思うことが少なくありません。そこで問い合わせのハードルを下げる工夫が必要です。
具体的には、次の3つを確認してみてください。
問い合わせフォームがすべてのページから1クリックで行けるか。 会社概要の下の方にだけ連絡先が書いてあるホームページは、驚くほど多いです。どのページにいても「お問い合わせはこちら」のボタンが目に入る状態にしてください。
電話番号がスマートフォンでタップできるようになっているか。 いまやホームページへのアクセスの7割以上はスマートフォンからです。電話番号が画像で貼ってあるだけで、タップしても発信できないサイトは想像以上に多く見かけます。
問い合わせフォームの入力項目が多すぎないか。 名前、連絡先、相談内容。この3つで十分です。会社名、部署名、住所、予算、検討時期まで聞くフォームでは、途中で離脱されてしまいます。
ポイント3:「事例」と「お客様の声」で信頼を形にする
お客様がホームページを見て問い合わせをするかどうか。最後の決め手になるのは「この会社に頼んで大丈夫だろうか」という信頼感です。
この信頼感を最も効果的に伝えるのが、実績事例とお客様の声です。「どんな課題を持ったお客様に、どんな対応をして、どんな結果になったか」を1件ずつ丁寧に紹介してください。
大がかりなものは必要ありません。お客様に許可をいただいた上で、「こんなご相談でした」「こう対応しました」「こんなお言葉をいただきました」を300〜500字ほどでまとめるだけで十分です。写真が添えられればなお良いですが、文章だけでも効果はあります。
事例が3件あるだけで、「この会社は実際にこういう仕事をしているんだな」と伝わります。5件、10件と増えていけば、それ自体が強力な営業ツールになります。新しいお客様が来るたびに1件ずつ追加していけば、自然と蓄積されていきます。
明日から始められること
ここまでお伝えした3つのポイントを、すべて同時にやる必要はありません。まずひとつだけ、今週中に手をつけてみてください。
お勧めは、自社のホームページをスマートフォンで開いて、自分がお客様のつもりで問い合わせをしてみることです。問い合わせボタンはすぐ見つかりましたか。電話番号はタップで発信できましたか。フォームの入力は面倒ではありませんでしたか。
この5分のチェックだけで、改善すべきことが見えてきます。そこから手直しを始めて、次にお客様からよく聞かれる質問をひとつ記事にしてみる。その次に事例をひとつ載せてみる。このくらいの小さな一歩で十分です。
広告のように即効性はありませんが、積み重ねたコンテンツと整えた導線は、時間が経つほど価値が増していく資産になります。お金をかける前に、まず今あるホームページを「働くホームページ」に変えること。中小企業のWeb戦略は、ここから始まります。
※ 本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法的・財務的・経営的助言ではありません。具体的な課題については専門家にご相談ください。